歌い手の教え

日本のフォークグループで時代をつくった「アリス」のボーカリストで、現在ソロ活動をしている谷村新司さんが、昔テレビで言っていたことを思い出しました。彼は自身で作詞作曲を行ない多くの名曲を創出していますが、持論として「他人の音楽を聞かない」そうです。

彼曰く、自分は音楽以外の芸術や日常の様々な出来事を創作のネタとしており、それを自身の体に取り入れ(食べて)、噛み砕き消化され排出されたのが「音楽(うんこ)」である。

『俺は、うんこを食べたくないから音楽を聞かない』のだそうです。

独創的でちょっと汚い話ではありますが、彼の言っていることは、よく理解できます。「モノマネはオリジナルを超えることはない」ということです。もちろん、学びのはじまりはモノマネであり、その過程でオリジナリティーも構築されていきます。しかし、何年経ってもデザイン本を横に置き制作するモノマネデザイナーも多く普及しています。どこかで見たようなデザインが巷に氾濫し、評価を得ることに首をかしげることも多く、PCがない時代から創作していた私たちとは、もはや思考やプロセスが違うのかもしれません。しかし、現実問題として情報伝達を処理する量も増加し、ひとつのデザインにかけられるコストも低下している現状では、共食いすることでその場をしのぐしか方法がないのかもしれません。

" Question > Answer "

新しい価値をもたらすには、プロセスありきの5+5=?の表現ではなく、?+?=10といった無数の可能性を創造することが真理であり、これからのビジネスクリエイティブに不可欠なプロセスなのかもしれません。

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